2017年02月24日
髙原 誠

現物分割と共有分割 ―遺産分割の4つの方法・その2

髙原 誠

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現物を平等に分けられる?


前回は、遺産分割には「現物分割」「換価分割」「代償分割」「共有分割」の4つの方法があることと、その簡単な概要についてお話ししました。今回は、そのうちの2つの分割方法「現物分割」と「共有分割」について、少し掘り下げて説明したいと思います。


<現物分割>
「現物分割」とは、土地は長男に、預貯金は母親に、有価証券は次男に……というように特定の財産を特定の相続人に分ける方法です。一つの土地を物理的に分割する場合もこれに含まれます。



 



所有者(所有権の移動)は明確となりますが、財産ごとにその貨幣価値(価額)がまちまちであるため、どうしても相続人間に不公平感が出てしまうのは否めません。


土地を複数の相続人で分ける場合には、「分筆」という方法で、一筆の土地を、二筆、三筆と分けてから相続することになりますが、狭い土地をたくさんに分筆してしまうと、後々、家屋を建てることも駐車場にすることもできないといった有効活用のできない土地になりかねないので注意が必要です。


また広い土地の場合も、場合によっては分筆取得(分筆相続)することで「広大地評価」の適用外となり、逆に高い評価額になってしまう場合もあります。


さらに、分筆の仕方によっては、片方の土地が「無道路地」になってしまったり、それぞれの土地が面する道路の幅によっても建物を建てられる条件が異なったり、路線価の違いによって評価額に大きな差が出て、やはり公平に土地を現物分割することは困難です。


そこで次に、「共有分割」について説明します。



安易な判断は避けたい「共有(共憂)分割」


<共有分割>
「共有分割」とは、相続した不動産等を共同で所有する方法です。






「共有」ということなら平等なので相続人の合意を得ることも容易でしょうが、よほど特別な事情がない限り、不動産の共有はお勧めしません。


所有者が複数いると、不動産を売却する場合などに名義人全員の同意を得ることが必要となりますが、その「名義人全員の同意を得る」という作業が意外に大変なことなのです。


「もめるほどの財産ではないから」「うちは相続人同士の仲がいいから」といった理由で安易に選択することは避けるべきです。


不動産等を共同名義のままにしておくと、いくら自分達の兄弟姉妹は仲がよくても、次の世代の相続まで考えると権利者が雪だるま式に増えていくことになります。のちのトラブルの種を増やしていくことになりますから「その場しのぎの解決法」と言わざるを得ません。このことから、共有分割は俗に「共憂」分割とも呼ばれることもあります。


ただし例外的に、いずれ売却する予定の自宅を、そこに同居する母親と息子で相続する場合などには、「居住用財産の特別控除」の枠が2人分(最大6,000万円)まで広がる可能性があるので、節税対策に有効な分割方法となります。


では、なるべく相続人間の不公平感を軽減する分割方法はないのでしょうか?
次回は残り2つの分割方法「換価分割」と「代償分割」についてお話ししたいと思います。


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