2016年12月24日
鷹橋 公宣

今さら聞けない?!空き家問題入門編

鷹橋 公宣

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最近いろいろなところで取り上げられる『空き家問題』。

たまに勘違いをしている方がいますが、空き家問題とは、不動産業者さんがアパートや貸家の入居率が悪いと悩むことを指している訳ではありません。

誰も住むことなく、管理もされずに放置されている『空き家』が増加していることを指す言葉です。

今回は『空き家問題入門編』と題して、空き家が持つ弊害や空き家が増加している原因を分かりやすくひも解いていきましょう。



空き家問題の現状



総務省が公表している平成25年時点の空き家の総数は約820万戸と、5年前に比べて63万戸(8.3%)の増加。

住宅総数のうち空き家が占める割合を示す『空き家率』は13.5%と過去最高ですから、実に「8軒に1軒は誰も住んでいない空き家」というのが現状です。


右肩上がりの住宅総数に比例して空き家の数も増加していますが、住宅総数の伸び率と比較するとここ数年の空き家の伸び率は激しくなっています。

平成20年から平成25年までの5年間で増加した住宅は305万戸、これに対して63万戸の空き家が増加しています。

「新築住宅が6戸建つ間に空き家が1戸増える」という状態だと考えれば、いかに空き家が増えているのかがよく分かるでしょう。


空き家の何が悪い?



空き家が増加しているという現状は理解できたと思いますが、ではなぜ空き家が増加することが問題になっているのでしょうか?


まずなんといっても「景観の悪さ」があげられるでしょう。

手入れもしていない空き家は、植木がうっそうと茂り、雨戸が閉め切られて「薄気味悪い」の一言です。

民間のアンケート会社が実施した調査では、空き家の所有者のうち7割以上が「一切の管理をしていない」と回答しており、いかに空き家が放置されているのかが浮き彫りになっています。


「犯罪の温床になる」という点も重大なマイナスポイントです。

空き家は手配された犯罪者やホームレスなどの徒食者が無断で住み着いたり、敷地へのゴミの不法投棄が繰り返されたりするおそれがあります。

失火や放火による火災の発生も懸念される上に、延焼による近隣への被害や死傷者が出れば空き家の所有者が責任を問われかねません。


「損壊・倒壊の危険」といった事態も気になるところです。

放置されていた空き家の屋根が損壊して破片が落下し、走行中の車に衝突したり通行人が負傷したりするケースが稀に発生しています。

最近では大規模な地震が全国で相次いで発生していますが、放置されて老朽化した空き家が倒壊して避難経路をふさいでしまうおそれもあります。

管理不足を謝罪すれば済む問題ならまだしも、人命にかかわるような危険が生じることは無視できませんね。



なぜ空き家が増える?最大の原因はアレ!



マイホームを持つことはサラリーマンの夢でもありますね。

「余っている住宅があるなら欲しい!」という人はいくらでもいるのに、なぜ空き家が増加しているのでしょうか?


空き家が増加している最大の原因は『相続』です。

空き家の取得理由のうち5割以上が相続によるもので、住み替えや引っ越しなどをおさえてダントツのトップです。

核家族化が進み、1軒の住宅に代々と住み続けることが少なくなった現代。

両親が亡くなって実家を相続しても、既にマイホームを購入していたり、仕事などの都合で実家に移り住むことができなかったりして空き家になってしまうのです。


ここで疑問を感じた方がいるのではないでしょうか?

「建物だけを取り壊して更地にして売却すればいいのでは?」

確かに、更地にしてしまえば土地の活用方法の幅が広がり、買い手もつきそうな気がしますね。

ところが空き家の所有者はわざわざ空き家を取り壊さないのです。


空き家の取り壊しが進まない理由は2つあります。

まずは「解体費用が高額である」という点です。

住宅の解体費用は地域的な条件や住宅の構造などによっても差があります。

1坪当たりの解体費用の単価は、木造では2.5万円から6万円、鉄筋コンクリートでは3.5万円から7万円程度だといわれており、住宅解体の専門サイトでは全国平均は3.5万円程度と紹介されています。

これに外塀や車庫の解体、廃材の処理などの費用を含めると、40坪程度の一軒家を解体するための費用は100万円から200万円程度は必要になります。

子どもの進学費用、マイカーの買換え費用、貯蓄など、働き盛りの世代には他にも必要な出費がたくさんある中で、実家の解体のために100万円を超える出費はなかなか支出できないのが本音でしょう。


空き家の解体が進まないもう一つの理由は「税法上の問題」です。

土地建物を所有していると毎年課税されるのが『固定資産税』ですが「建物つきの土地」は固定資産税評価額が6分の1に軽減されます。

カンタンに言うと「更地の固定資産税は、建物つきの6倍も税金がかかる」ということですから、わざわざ高い解体費用を支払ったうえで税金まで高くなるようでは空き家所有者が「いっそのこと放置してしまえ」となってしまうのもナットクでしょう。



まとめ



空き家問題の入り口部分について分かりやすく紹介しました。


前述の「空き家の何が悪い?」という部分について、国は既に『空家対策特別措置法』という法律を施行し

・倒壊など保安上危険となるおそれがある状態

・著しく衛生上有害となるおそれがある状態

・著しく景観を損なっている状態

を指摘して空き家の除去にのりだしています。

空家対策特別措置法の定めによると、市町村から『特定空き家』として勧告を受けた場合は「建物つきの土地」でも固定資産税の軽減措置から除外されてしまうのです。

まるで「空き家の所有はペナルティ対象」ともいえる法律ですが、空き家が生み出す弊害を考慮すれば致し方ないことなのかも知れません。

単純に考えれば「空き家の場合は固定資産税が従来の6倍になる」ということですから、売却、貸家としての運用、解体して活用するなどの対策を考える必要があるでしょう。

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