将来の介護を視野に入れた設計が大事

今は元気な親でも、将来に介護が必要になるかもしれません。そういう時が来ることを想定したうえで、二世帯住宅を選択する子供世帯は少なくないでしょう。親の側も、自分達が親の介護を経験して子供世帯との同居を考えることがあります。

介護をされる側とする側の気持ち

親の側には、将来自分達が要介護者になった時の不安があります。自宅を売却して介護付きの老人ホームなど高齢者施設に入居するという方法もありますが、できるだけ自宅で過ごしたいという願望を持つ人も少なくありません。

子供の側も、出来得る限り自分の親の面倒を見てあげたいという気持ちがあるでしょう。それができない環境にある人は多いのですが、二世帯住宅であればお互いの気持ちに沿った生活が可能になります。

その点を考慮すると、二世帯住宅を建てる際はプライバシーやライフスタイルの違いだけではなく、将来の介護を視野に入れた設計をしておくことが重要なポイントになります。

介護が必要になってからリフォームするのでは、子供世帯の経済的な負担が大きくなってしまいます。二世帯住宅を建てる際は、介護しやすい浴室やトイレの位置や構造、車椅子の動線を考慮した設計は欠かせません。

介護する側に配慮した構造

その際に見逃しがちなのが、介護する側に配慮した構造です。得てして要介護者の動線に気を取られがちですが、介護する側の肉体的精神的負担は想像を超える過酷なものです。なので、介護のしやすさを考慮した設計が重要になります。

特に浴室やトイレは十分なスペースを確保して、介護する側の負担軽減につながる設計をすることをお勧めします。それと屋内だけではなく、車椅子の外出時を想定して玄関から外へのアプローチをなだらかにしておく必要があります。

二世帯住宅では家主が二人いることになり、それが様々な場面でトラブルが発生する原因になります。親が元気なうちは、どうしても親の立場がうえになりがちです。しかし、将来の介護を考えると、子供の側がイニシアティブを持つのがポイントです。

その点では、親は二世帯住宅を検討する際に「老いては子に従え」ということになるのかもしれませんね。子供の意見に耳を傾けて、介護する側に配慮する気持ちが大切なのではないでしょうか。

 
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