資本主義の論理では、自分の土地を自由に利用できるのが原則です。ただし、公共福祉の向上の観点からも、秩序だった市街地整備のためには、一定のルールが必要です。そのルールの根幹が都市計画法であり、都市の健全な発展のために、都道府県が都市計画を決定するとされています。

同時に、都市計画を基本として、建築基準法、土地区画整理法、道路法、三大都市圏(首都圏・中京圏・近畿圏)整備法といった規制放棄が適用されます。

都市のあるべき姿を目指す都市計画

都市計画(urban planning)とは、土地利用・景観・効率性といったさまざまな観点から都市のあるべき姿を描き、現状を捉えたうえで、理想と現実とのギャップを埋めていくために策定された具体的なルール整備や開発事業等を意味します。

都市計画の原点は平城京・平安京にも垣間見れますが、本格的に発展したのはイギリスの産業革命以降です。ロンドン、マンチェスターといった農村から労働力がになだれ込んだ大都市では、工業地帯と住居の入り組み、スラムの発展、下水道などインフラの未整備など、都市環境が急速に悪化しました。そうした状況への危機意識から、公衆衛生や建築のルールが整備されたのです。

都市計画決定のプロセス

都市計画のプロセスは、都市計画区域の指定、市街化区域と市街化調整区域の区域区分、市街化区域内の用途地域指定等の順番ですすみます。

都市計画区域の指定

都道府県は、おおむね次の要件に該当するエリアを都市計画区域に指定します。

・市の中心市街

・町村の中心市街で、人口など一定の条件を満たすもの

・大都市圏整備三法に規定する都市開発区域(住居・工業都市として整備を図ることを定めた区域)

市街化区域と市街化調整区域の区域区分

都市計画区域内は、すでに市街地が形成されたまたは今後10年以内に市街地開発すべきエリアを市街化区域、市街化を抑制すべき市街化調整区域に線引きします。また、どちらの区域にも該当しないエリアを非線引き都市計画区域と呼びます。

用途地域等の指定

線引きされた市街化区域内は、用途地域などの地域地区計画が指定されます。

 
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