ようやく下げ止まってきた住宅地をしり目に、商業地の上昇率は1.9%と騰勢を強めています。

騰勢の背景

堅調なインバウンド消費が店舗やホテル需要を押し上げています。優良物件の出物が少なくなる中、ホテル業者は高値でも用地確保に走っています。一方でオフィス需要も底堅く、空き室率は低い水準にとどまっており、一部エリアでは賃貸料の改善も進みました。

こうした中、日銀の超金融緩和の影響もあってREIT(real estate investment trust、不動産投資信託)法人のキャッシュストックは大幅に改善し、不動産投資意欲を駆り立てています。

地方も持ち直している

三大都市圏(首都圏、中京圏、近畿圏)は相変わらず調子がよく、前年比3.3%です。地方圏は相変わらず下落が続いていますが、マイナス幅は0.1%まで縮小し、あと一息でプラスに転じます。

特に中核4市(札幌・仙台・広島・福岡)の上昇率は6.9%に達し、三大都市圏を上回っています。既に都心のオフィス一等地は、黒田日銀総裁就任以前(2013年)より4割近く上昇している地点もあり、外資マネーは比較的割安の中核4市に流れ込んでいるのです。

追い風が吹く工業地

工業地も負けてはいません。今年の上昇率は0.3%と、ついにプラスに転じました。最近はヤマトの宅配便数見直しが話題になっているほど、インターネット通販による配送が急増し、物流拠点の用地確保の動きが強まっています。特に圏央道開通の影響もあり、沿道周辺では用地が完売して募集を中止した工業団地も出てきています。

商業地の地価上昇は続くのか?

2018年以降も、新日比谷プロジェクト(10700平方メートル)、西品川一丁目地区再開発事業(39000平方メートル)、大手町二丁目地区再開発事業(20000平方メートル)など、大型再発事業の完成を控えています。オフィスビルが大量供給されると、空き室率の上昇、賃料の低下が懸念されます。

既にそうした状況を見越して、すでに融資姿勢を見直そうという動きも出ています。

 
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