資産としての建築物は古くなるとともに価値が目減りするものですが、その下落率は立地などにより異なります。

人が集まる東京でみてみると、東京メトロの千代田区沿線は他の地域に比べて下落率が低いことが(株)マンションマーケットの調べによりわかりました。同じ地域でもどの路線の沿線かで差がつくことに注目して投資物件をみてみるのも参考になります。

■築年数が増えるほど価値は減っていく


建物の資産価値は新築の時よりも築年数が増えるほど目減りしていきます。どのくらい目減りしていくかは、建物の傷み具合によっても違ってきます。大事にメンテナンスしていれば同じ築年数が経過していても市場価格としては相対的に下がりません。どのくらいの率で下がっていくかは、物件の状況によって違ってくるので、ここでは固定資産税をもとに、資産価値の目減りについて考えていくことにします。

まず、木造と鉄骨、RC造ではRC造方が耐用年数が長い分、資産価値の目減りは少なくなります。また、一般的には木造なら25年程度、鉄骨造なら30年から40年程度、RC造なら60年で再建築価格(今同じものを建築したらいくらになるか)の2割まで減少します。税金の場合はそれ以上割合が減ることはありません。

一方、市場価格の場合は、一般的に築1年~築5年までは、基本的にそう大きく価格が安くなることはありませんが、いったん誰かが住んでしまうと中古物件になってしまいます。

その後は1年ごとに1%~2%ほど、価値が下がっていくといわれています。築10年ともなれば、約25%の下落、30年では60%減となり、4割程度の価格でしか売れないことになります。

ただし、土地については古くなることはなく、立地の利便性などによって変わってくるので、地域によって差が出てきます。

東京メトロ沿線は中古マンションでも高値がつく

■需要のない地域ではより下落率が大きい

さて、中古マンションは、需要によって価格が左右されることもあります。人気のある地域は総じて高く、在庫が多くあってだぶついてくると価格は予想以上に下がります。

最近では、東京に対して埼玉の下落率は高い傾向にあります。築20年を超えると、埼玉では70%を超える下落率を示す物件もあるようです。

一方で、東京メトロ沿線では、築10年のマンションが新築当時よりも高い値段で取引されている例も認められます。約10年前というのは、マンション価格が低迷していた時期で、比較的安くで売り出されていたため、このような逆転現象が起きているようです。逆転現象まではいかなくても、東京メトロ沿線では下落率が多の地域に比べて穏やかであることは確かです。

東京メトロ沿線でも路線によって下落率は違います。千代田線や日比谷線は比較的下落率が低いですが、銀座線は比較的大きくなっています。

中古マンションは立地する場所で下落率も細かく違っているので、頭に入れておきましょう。

 
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