トヨタ関連企業を中心に多くの製造業が集る中部圏。特に愛知県は名古屋を中心に不動産市場は活況です。名古屋駅周辺ではリニア開通などに伴う再開発で大型ビルの建設ラッシュが続いています。

新築マンションを中心に愛知県の不動産物件も活発な状況ですが、一方で中古マンションについては伸び悩み、横ばい状態です。

名古屋城の再建が決まればさらに魅力が増す地域に

■中部圏の不動産市況は名古屋中心

中部圏の28年度の不動産市況は堅調のようです。トヨタ自動車を中心とした自動車産業の業績も好調で、名古屋市を中心にマンション・一戸建て、ともに分譲が活発です。また、名古屋駅周辺は豊田ビルなど老朽化したビルの建替えにあわせた再開発の影響で、商業地の地価が高くなっています。これにあわせて名古屋駅周辺でのマンション分譲も増えてきている状態です。

名古屋駅と近郊都市を結ぶ幹線道路の整備は、2027年のリニア開通に向けて並行して進められており、まだまだ幹線道路となる沿線を中心に右肩上がりの状況は続きそうです。

名古屋市周辺の新築マンション分譲数、価格の推移はまだ右肩上がりですが、中古マンションについては在庫数も増えており、懸念されるところです。

一方で、岐阜県は東濃や飛騨地方を中心に新築・中古ともに一戸建て住宅の需要は伸びており、しばらくはこの傾向が続く見通しですが、マンション需要については、やや横ばいの傾向にあります。

三重県は北勢・中勢地域でやや改善の傾向は認められるものの、全体的に低調で、伊賀地域・東紀州は特に厳しくなっています。

 ■不動産売却は名古屋近郊・岐阜にチャンスあり

もう少し具体的に見ていきましょう。

名古屋の人気エリアは地下鉄東山線沿い、および名鉄沿線沿いです。市内では天白区、昭和区、市外でも知立市や知多市などが人気です。ただ、中古マンション需要についてはやや在庫が増えてきている状況なので、人気エリア以外では、今後あまり大きな価格上昇は期待しない方が良いでしょう。

岐阜県では、東海道本線の岐阜駅・西岐阜駅周辺に人気があります。名古屋市内へ30分足らずで行くことができ、通勤・通学、買い物にも利便性があります。ナゴヤ市内は高値感があると感じた人はこちらに流れてくるので、今後も堅調な価格維持が見込めます。

観光地として人気のある高山は、からくりで有名な山車の出る高山祭が、ユネスコ無形文化財遺産に登録され、認知度が高まりました。別荘地としての需要もあるので、不動産売却を考えている人にはチャンスです。

他の地域では、名鉄線沿いの可児市、JR線沿い多治見市、各務原市などに需要があります。

三重県は津市、鈴鹿市の近鉄沿線ではやや活発な動きもあるようです。

■まとめ


中部圏での不動産売却を考えている人で、名古屋市およびその近郊や岐阜市などの物件であれば、それなりに需要はあり、今後も堅調に推移していく見通しです。新築マンションや一戸建て住宅の成約件数も増えており、まだまだ伸びていく見通しです。ただし、名古屋市内の中古物件は割高感も出始めているため、岐阜市や知立市などに割安感を求める層の需要も期待できます。リニア開通まではこの状況は続くと思われるので、この地域での不動産売却はチャンスかもしれません。

 
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