新幹線開通の開通で函館までがうんと近くなりました。豪華夜行列車「北斗」はなくなったものの、東京から5時間ちょっとで移動できるため、ビジネス分野でも期待が持たれます。

不動産売却にあたっては、函館近辺も注目ですが、意外にも札幌を注目度の高い地域としてピックアップする専門家もいます。新幹線の札幌延伸計画も含め、しばらくは動向が気になるところです。

北海道新幹線の影響はニセコにも


■北海道新幹線開通の影響は


北海道新幹線の開通にわいた北海道。青森から新函館北斗駅まで約150kmまでの距離を結び、東京から新函館北斗駅までなら4時間30分で行くことができます。飛行機を使うより半額程度で移動ができるので、ビジネスにも観光にも便利になりました。

難点は函館北斗駅から函館中心部までは乗り継ぎで20分程度かかること。札幌だとさらに3時間近く要するため、飛行機利用のほうが格段に便利になっています。乗客は増えているものの、北海道の中心地である札幌までは2030年に開通予定ですが、それまでは苦戦が強いられるのは必至です。

これだけの距離があるので、函館北斗駅周辺ではホテルなどの建設も進んでいますが、あまり活況ではないようです。札幌まで延伸されれば途中駅となり、開発の規模も小さいと評価する専門家もいます。そのため、不動産売買も新幹線開通の恩恵を十分得ているとは言いがたい結果になっています。

過去の事例を見ても、新幹線開通による不動産市況への影響は北陸新幹線のように大きな影響を受ける場合と、長野新幹線のようにオリンピックの時期だけで期待以下であった場合とがあるようで、新幹線の開発がそのまま不動産市況に影響するとはいえないようです。

■北海道はむしろ札幌、ニセコに注目


新幹線からは遠くてそれほど影響がないと思われる札幌ですが、北海道の中では不動産市況が活発です。株式会社カンテイが提供する「中古マンション価格天気図」においても、札幌は軒並み上昇しています。新幹線からの利便性は良くないものの、北海道の中心地としての機能が評価されている形になっています。新幹線の延伸については、新幹線駅をどこにするかがまだ確定しておらず、開発に伴う不動産価格の動向については不透明な部分もありますが、今後とも札幌については注目度の高い地域になると思われます。

北海道でそのほかに注目されているのがニセコ地区。スキーリゾートが海外にも知名度がアップして海外観光客も相当数増加しています。それに伴い、不動産価格も上昇の傾向にあり、今最も注目されているエリアです。新幹線延伸のルートにも隣接しており、開発が進むに従い、今後も上昇が期待できます。

北海道新幹線の影響はまだまだこれからですが、北海道に確実な不動産市場の活性化をもたらしているようです。

 
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