皆さま、こんにちは。LR会計の山田です。

確定申告の準備はいかがでしょうか?

今回は毎年よく質問される論点を取り上げます。

「不動産取得に関するローンの利息って必要経費にならないんですか?」

これ、本当によく聞かれます。

しかも質問される方はかなりの割合で焦った口調です。

はい、まずは深呼吸しましょう。

まずは良いニュースをお知らせします。

原則的には、支払利息は必要経費になります。

そう、なるんです。

だって支払利息ですもの。

あ、ただし、不動産所得が初めて発生するという場合ですと、

不動産取得時から賃貸業務を開始するまでの期間の借入金利子は必要経費とはならず、

当該不動産の取得価額に加算するという例外は存在します。


ということは、中古マンションで入居済みの物件を購入する場合には、

不動産取得時=賃貸業務開始時

となるはずですから、そういった問題は生じないわけです。


さて、じゃあどんな時に支払利息が必要経費にならないかというと


不動産所得が赤字の場合


です。


そのため、まずは支払利息の全額を必要経費と仮定していただいて

不動産所得を計算します。


そして、黒字であったら支払利息はすべて必要経費になります。

よかったですね。


他方、赤字となった場合には、支払利息の全額を必要経費にすることはできなくなります。


とはいえ、あくまでも「全額」がダメなのであって、「一部」は必要経費になります。


その「一部」とは、不動産取得時における「建物」に関する部分となります。


逆に言ってしまうと、赤字のうち土地等を取得するために要した借入金利子部分は

必要経費としてカウントされないということです。


例えば6千万円の中古マンションを買ったとします。

頭金が1割としますと、ローンは5400万円です。

6千万円の取得価額の内訳は土地が4千万円、建物が2千万円とします。

支払利息は年間108万円。

このとき、180万円全額を経費とすると不動産所得が赤字になったしまった。

さて、必要経費とならない土地等に関する支払利息はいくらでしょうか?

108万円×(5400万円-2千万円)÷5400万円=68万円

となります。

ということは、108万円-68万円=40万円は必要経費にカウントされます。

たまに、この40万円部分も必要経費にならないと勘違いされる方がいらっしゃいますので

ご注意くださいませ!!



 
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