2016年11月27日
山口 宏

借地権を担保に融資が受けられないケース

山口 宏

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建物所有を目的に土地を借りている借地人さんにとって、地主さん側の事情で借地権を担保に融資が受けられないことがあります。融資が受けられないケースは、主に次の2つです。



その1.地主さんが金融機関所定の「担保提供承諾書(ご承諾依頼書)」への署名捺印に応じないとき

借地上の建物を担保に金融機関から融資を受けようとする場合、金融機関は地主さんに借地権を担保にすることを承諾していただくよう求めてきます。
それが「担保提供承諾書(ご承諾依頼書)」です。
この承諾書には地主さんの署名、実印捺印(印鑑証明書付)が必要です。

金融機関によってこの承諾書のひな型の内容に多少の違いがありますが、①借地契約の存続に影響を及ぼす賃料滞納等の債務不履行等が発生した場合、金融機関に通知すること、②賃料滞納の際、金融機関が代払いすることを許可し、この場合、借地契約を解除しないこと、③将来、売買、担保権実行による競売等の事由で建物所有者が代わっても、借地権の移転を承認し、引き続き相当な条件で土地を貸すこと、が主な内容になります。
もっとも地主さんがこの承諾書の求めに応じなくても、法的には借地権を担保にすることは可能です。
しかし、地主さんが「担保提供承諾書(ご承諾依頼書)」に非協力的だと、現実的に借地権の担保実行に大きな支障があるとして、ほとんど金融機関は融資に応じません。


その2.底地に抵当権等の担保権等の登記がついているとき

底地の抵当権登記で一番多いのは、大地主さんが相続が発生したあと、相続税の延納(分割払い)担保として国を抵当権者として抵当権を設定するケースです。
延納期間は最長20年です。

相続税が完済されなければ、原則として担保が抹消されません。




借地権を担保に融資が受けられないと、どうなるか?


建物をリフォームするとき、あるいは建替えするときは、全額自己資金でなければ実現することができません。
借地権を売却しようとすれば、買う側はほとんど融資を受けて借地権を買います。
キャッシュで買う人はほとんどいません。
転売目的で建売不動産業者あるいは投資家が自己資金で借地権を買うとしても、転売するとき融資が付かない借地権なら普通買いません。
融資が付かない借地権ということは、将来の売却しにくいわけで、保有リスクが非常に高いからです。

保有リスクから相当金額を下げないと売れませんし、買主を探すのも苦労します。


融資を受けて建替えするとき、あるいは借地権を売却するときは、事前に土地(底地)登記を調べる必要があります。

先走って地主さんへ高額な承諾料(建替え承諾料、借地権譲渡承諾料)を払ってしまってから、いざ資金の融資(建替え、借地権購入)を受けるため銀行に相談したら、底地に相続税の抵当権や税金滞納の差押え登記が付いていて、融資が受けられなかった、ということになりかねません。

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