土地境界の明示義務


宅地を売買する場合、売主は買主に基本的に実測図と各境界を明示しなければなりません。既に境界確定測量済で、法務局に境界確定した地積測量図が備えられていれば、以前境界確定測量が行われたということになりますので、境界確認書が手元になくても売買のために改めて確定測量する必要は必ずしもありませんが、買主のために、少なくても地積測量図上の各境界標の明示は必要です(ただし国に物納する場合や買主が建売業者の場合は境界確認書が必要になることがあります)。境界標が抜けてしまったり、境界がどこにあるかわからない場合は、測量事務所に地積測量図上の境界を復元してもらいます。

もし確定測量をしていない場合は、基本的に売買する前に境界確定測量をし、境界と面積を確定させます(公簿売買の場合を除く)。

境界確定測量とは、隣接地所有者に立会ってもらって境界を確定させる測量です。
境界をお互いにを現地で確認し合い、境界標がなければ設置し、境界標を明示した地積測量図を作成して境界確認書を締結します。

登記面積と実測面積に違いがあれば、できれば地積の更正登記をおこないます。

境界線で隣接地所有者と揉めている場合、売却斡旋の段階で境界不調であることを買主側に告知しなければならないため、売買価格が相応に下がることを覚悟しなければなりません。

私道の境界確認書が必要な場合


宅地が公道ではなく私道に接する場合、私道面の境界確認書の締結が必要になるケースがあります。
売却予定地が更地で、買主が建売業者さんの場合は、宅地と私道ラインの境界確定まで求めてくることが多いです。
あるいは、地主さんが土地を国に物納する場合、宅地と私道間の境界確認書の提出は物納許可要件となります。

私道とは、建築基準法42条が適用されるの道路のことで、主に次の2通りです。
①位置指定道路(建築基準法42条1項5号)
②42条2項道路(建築基準法42条2項)
(例外として「ただし書き道路」。建築基準法の「道路」ではありません。)

私道全部が売主の単独所有なら境界確認書の締結に全く苦労しませんが、上記の場合、私道が複数の第三者との共有なら、共有者全員の境界立会いと境界確認書を締結しなければならないので結構大変な作業になります。
共有者の一部と連絡が取れなかったり、境界確認書への署名捺印に応じなかったりすることも考えられます。

 
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