住宅等の不動産を購入するとき、敷地が私道に接している場合、公道にはないデメリットやリスクがあります。
この場合の私道とは、建築基準法上の道路(位置指定道路または42条2項道路)が前提とします。


1.私道のメリット

まず、私道のメリットについてですが、最大のメリットは、敷地を買うときの価格が前面道路が公道の土地より多少なりとも安いことでしょう。
実はこれに尽きるといっても過言ではないと思います。
公道に面している住宅とあまり変わらない価格の物件は、割高な物件といえるかもしれません

2.私道のデメリット・リスク

私道に面している土地のデメリット・リスクが複数あります。売却する側は私道負担については説明しなければなりませんが、下記デメリット・リスクについてまで積極的に説明しないかもしれません。
■売却するとき公道に接する土地よりも安い。
買う時に割安ということは、売るときも安いということになります。
■私道の維持管理は共有者全員で行なう。
経年劣化で舗装が陥没したり、ボロボロになれば、共有者全員で補修しなければならないのですが、取り纏めに多少苦労します。将来的に上下水道・ガスの埋設管が老朽化して敷設替えする場合、私道共有者間で負担金額や承諾関係で調整が必要になります。いずれの場合も、各共有者が単独で決められないので、共有者の一部が反対すると決定できないことになります。公道だったら敷地所有者がこれらを負担することはありません。
■建て替え、あるいは売却の際、私道共有者全員から承諾が必要かもしれない。
建替え、あるいは売却の際、私道共有者全員から通行承諾書、埋設管接続のための私道掘削承諾書の取得が必要になることがあります。

私道の共有者の一部が、迷惑行為を行うことがある。
たとえば、私道部分に花壇を置いたり、自転車・バイク・自動車を停めたりして、他の共有者の通行の妨げになることがあります。
■私道所有者が第三者の場合、通行承諾書や上下水道・ガス管接続するための道路掘削承諾書を私道所有者からもらわなければならない。

私道所有者によっては、通行料や道路掘削承諾料の支払いを求めてくることがあります。
■道路幅が4m未満の場合、建替えのとき敷地の一部をセットバックしなければならない。
建築基準法42条2項道路の場合、私道幅が4m未満なら、建て替えの際、原則として道路中心線から2mラインへ後退(セットバック)しなければならず、有効宅地面積が一部少なくなります。

 
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