2021年01月18日
日経新聞を読まない君たちへ

携帯電話利用料の価格競争について

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携帯電話利用料の価格競争について


「日経新聞くらい読めよ」社会人なら誰もが一度は言われたセリフです。そりゃ、客先で経済ニュースを語れるとかっこいいですもんね。でも、「だって、みんな読んでないしな…」と、何となく済ませている人も多いのではないでしょうか。それでは、心許ないので最低限に知っておいて欲しい経済ニュースを、経済誌の現役記者・編集者がこれ以上ないくらいにわかりやすく解説します。今回は、2021年の経済動向スケジュールを紹介します。 (リビンマガジンBiz編集部)





画像=PIXABAY



みなさんこんにちは。日経新聞を読んでいなくても、携帯電話料金の価格破壊が進行中であることは、みなさんご存じですよね。1月13日にKDDI(au)が新料金プランを発表したことで、大手キャリアの料金が出揃いました。各社とも、メインのプランは月額3000円を下回る設定です。


MVNOや楽天に乗り換え済みの人以外は誰もが気になるテーマ。というわけで、今回は、携帯料金の値引きについて見ていきたいと思います。



大手キャリアの新料金が出そろう


料金比較はいろいろなメディアに出ているので、ここではごく簡単に。一言で言うと、月額3000円を切る料金プランが各社から出揃いました。NTTドコモの「ahamo」とソフトバンクの「Softbank on LINE」は月額2980円、KDDIの「povo on au」は2480円で、いずれも月間のデータ容量は20GBに設定されています。


大まかにはそれぞれ細かな違いがあるのですが、海外で使用する機会が多い人は、海外でも追加料金なしで20GBの容量を利用できるahamo、通話などはほとんどLINEですますといういう人は、20GBの容量を消費せずにLINEを利用できるソフトバンク、同じく通話はほとんどLINE、または通話しないという人は、auのpovoが適していそうです。こんな具合に、自分の使い方に合わせてキャリアを選択することができるようになった点は、ユーザーとしてはありがたいことです。


ちなみに、こうした新料金プランの多くは、若者向けに売り出されると見られています。例えばドコモでは、ahamoの申込手続きは原則ネット対応で、ドコモショップでは対応しないそうです。人件費がかかるドコモショップではなくて、ネット上で自分で手続きできる人は、格安プランでどうぞということです。ahamoはキャリアメールが使えないのも、キャリアメールを頻繁に使用する高齢者を従来プランで囲い込むための対策と見ることができます。


若者には格安プランを。高齢者にはさまざまなサービスを提供する代わりに、少し高めの従来型プランを。そんな戦略が透けて見えます。



政府圧力で始まった価格競争に正当性はあるのか


大手通信キャリアの料金引き下げの背景にあるのは言うまでもなく、政府による圧力です。自民党は安倍政権時代から、携帯電話料金の高止まりに対する批判を繰り返してきました。菅義偉首相は、官房長官時代の2018年に「携帯電話料金は4割下げられる余地がある」とも発言しています。日本は他の先進国に比べて通信費の負担が大きいと主張していました。


たしかに、通信量の負担は年々、重くなってきています。総務省の「家計調査」によると、家計における移動電話通信料(携帯電話料金)は2019年で10万3466円で、2010年と比べて29.5%増加しました。家計に占める携帯電話料金の割合も、2019年は3.45%で、2010年の2.64%よりも大きくなっています。このあたりの数字は、総務省がご丁寧にまとめています(※総務省報告はこちら)。


なかなか消費が拡大しないのは、携帯電話料金の負担が重いからではないか。若者が車や家を買わなくなったのも、ケータイ代が高いからではないか。大手キャリアに値下げを迫る政府の態度には、そんな「ケータイ料金悪玉論」的な背景が見え隠れします。通信を独占しながら暴利を貪る大手キャリアに、国の力で値下げを迫る。一般向けにはそんな構図で政府主導で携帯料金引き下げが行なわれてきたわけです。


いちユーザーとしては、携帯電話料金が安くなることはウェルカムですよね。ただ一方で、大手キャリアが料金を引き下げると、楽天などの新興勢力や、MVNOにとって競走が厳しくなるのもまた事実です。実際、大手キャリアのプランは、2980年の楽天とほぼ同列に並びました。楽天にとっては勝負どころです。また、MVNOの日本通信も、12月4日に月額1980円(16GB、無料通話70分間)という、ドコモのahamoに対抗する新プランを発表しています。大手キャリアがかなり大胆な値下げをしたことで、携帯電話料金は値下げ競争のスパイラルに陥り、新参者には厳しい競争環境になります。


本来であれば、複数の事業者がさまざまなプランやサービスで凌ぎを削ることで、利用者の利便性が高まるのが望ましいはず。そういう形にならないと、最終的には強い事業者だけが残り、再び料金値上げ、なんてことになりかねません。国が、健全な競争ができる環境を作ろうとしているかどうかを、有権者としてはチェックしていくことも大切なことだと思うんですよね。


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