2021年02月01日
日経新聞を読まない君たちへ

給与のデジタル支払いって何ダ?

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給与のデジタル支払いって何ダ?


「日経新聞くらい読めよ」社会人なら誰もが一度は言われたセリフです。そりゃ、客先で経済ニュースを語れるとかっこいいですもんね。でも、「だって、みんな読んでないしな…」と、何となく済ませている人も多いのではないでしょうか。それでは、心許ないので最低限に知っておいて欲しい経済ニュースを、経済誌の現役記者・編集者がこれ以上ないくらいにわかりやすく解説します。今回は議論が進んでいる給与のデジタル支払いについて紹介します。 (リビンマガジンBiz編集部)


画像=Pixabay


こんにちは。日経を読んでいないあなたは知らないかもしれませんが、今、国では「給与のデジタル払い」に関する議論が進んでいます。実現すれば、スマホ決済の口座に直接、給与が振り込まれる日が来るかもしれません。これってどういうことでしょうか。私たちにメリットはあるのでしょうか。


みなさんが毎月受け取っている給与の支払い方法は、実は労働基準法第24条で、現金または銀行などの金融機関への振り込みのいずれかと定められています。日頃ペイペイで決済することが多いからといって、ペイペイの口座に直接振り込んでもらうことはできないわけです。これに対して、スマホ決済の口座やプリペイドカード、電子マネーでの給与支払いを解禁するするための議論が行われています。


スマホ決済口座への給与払い解禁には、法改正は必要ありません。つまり、国会での議論は不要。労働基準法の施行規則を改正すれば実現します。そのための議論を今、厚生労働省の方で行っていて、報道によると、早ければ今年の春にも解禁される見通しです。


なぜこんな話が持ち上がったかというと、スマホ決済など現金ではない決済の方法が広がる中で、決済事業者が給与払いの規制緩和を国に働きかけてきたという事情があります。今、給与の支払い口座として使われているのは銀行です。かたや、ペイペイなどのスマホ決済事業者は銀行ではありません。法律上は「資金移動業者」(資金決済法という法律に基づいて登録されている事業者で、現在は80社あります)という位置付けになります。銀行が一手に握る給与支払い口座の位置づけを、資金移動業者にも開放してくださいというお願いを国に対してしてきたわけです。


個人のお金の流れを握る上で、給与の振り込み口座はとっても大事です。毎月の給与から、住宅ローンや家賃、水道光熱費などの支払いをする人がほとんどでしょう。銀行にとって、給与振り込み口座を確保することは、個人とのお付き合いを深める入り口になります。かたや、資金移動業者にとっても、スマホ決済の口座に直接給与が振り込まれるようになれば、決済に使ってもらえる機会が増えます。つまり、給与支払いの規制緩和をめぐる動きは、「銀行vs資金移動業者」という構図で見ることもできるわけです。



給料がスマホに振り込まれるとこんなメリットがある


では、給与がスマホ決済口座などに振り込まれるとどんなメリットがあるのでしょうか。すでにスマホ決済などを常時使っている人は、いちいち銀行口座からスマホ決済口座にお金を移す手間を省けます。会社側が対応してくれれば、基本は銀行口座へ、生活費はスマホ決済口座へ、なんて具合に使い分けることもできるでしょう。また、副業の収入はスマホ決済口座で受け取るといった具合に使い分けもできます。資金移動業者などが参加するフィンテック協会によると、外国人労働者など日本の銀行口座を作るのに時間がかる人も、給与を受け取りやすくなるなどのメリットがあると言います。ただし、スマホ決済の口座には利息がつきません。その点は銀行と大きく異なるので、注意が必要です(銀行の預金口座に預けておいても、今の低金利ではほとんど金利がつきませんけれど)。


給与のデジタル払いの解禁は、企業にとってもメリットがあるようです。企業は従業員の給与を支払う際に、振り込み手数料を負担しています。デジタル払いが解禁されれば、資金移動業者は給与口座を獲得するために、支払い手数料を値引きするでしょう。そうすれば、企業の負担が減ります。手数料負担が減れば、月1回の給与支払いを、複数回に分けるなどの対応も可能になりそうです。従業員側の要望に柔軟に対応できるようになることは、「働きやすさ」を向上させる効果も期待できます。


最大の課題は、安全性です。労働組合の団体である連合も、安全性に懸念を示しています。万が一、資金移動業者が破綻した場合でも、払うべき給与が保全される仕組みが必要です。その部分については、保証会社や保険会社の活用をする方向で議論が進んでいます。さてこの議論、どう決着がつくでしょうか。


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