不動産を共有名義で相続した場合の注意点

相続人が残してくれた家や土地について、相続前から誰が相続するのかが話し合われていれば争いも起きにくいでしょう。
しかし、実際にはなかなか決められなかったり、争いが生じたりもします。

そんな時に相続人の共有名義で不動産を相続することもあるかもしれませんが、共有名義での相続には何かとリスクが伴うこともあります。

共有名義で相続した場合のリスク

例えば、3人の相続人が土地を共有名義で相続し、その中の1人がその不動産に実際に居住する場合、どのような問題があるのでしょうか?

相続した不動産に関しては、一例として、売却したり、相続人以外の人に貸したり、または畑を駐車場にしたり、といったケースが考えられます。
この中の売却や駐車場への変更については、共有者全員の合意が必要です。
仮に居住者が独断で売却しようとしても、それはできないことになります。

では他の人に賃貸するというケースはどうでしょうか?
これは民法上では「管理」と呼ばれる行為にあたりますが、管理を行う場合は、持分の価格に従って過半数で決することになります。
人数割ではなく「持分の価格」に従うということに注意してください。

共有名義で相続した場合のリスクの具体例

例えば共有者の中で、価格の過半数にあたる持分を持っている相続人が1人いたとしたら、その人の独断で賃貸は可能ということです。
もしも過半数の持分を有している相続人がおらず、3人ともそれぞれ3割3分ずつの持分を有している場合は、3人のうち2人が同意したら賃貸できることになります。

このように、共有名義で相続した場合、売却や賃貸などの行為をする時には相続人複数人の同意が必要になり、なかなか話がまとまらないというリスクがあります。
実際のケースでは、相続人の1人が嫌がらせ目的で売却に同意しない、といったこともあるようです。

共有名義を解消する方法

共有名義を解消して誰か1人の単独名義にしたい場合はどうすれば良いのでしょうか?
まず基本的に、共有名義人全員の同意があれば、後は所有権移転登記などの手続きをすれば良いだけです。

しかし、相続財産であるため、単独名義になる際には他の共同名義人が無条件で同意することは少ないでしょう。

例えば、1,000万円の土地を500万円分ずつ持分を有して共同名義で相続しており、後に単独名義に変更することになった場合、名義人から外れる相続人は、単独名義人に対して持分の500万円分の金銭を請求することが可能です。

この場合、請求された名義人は500万円を支払わなければなりません。

また、もしも単独名義にする際に争いが起きた場合は、訴訟に移行することも考えられます。
訴訟となると、時間がかかる可能性もありますし、訴訟のための費用がかかることも懸念されます。

このようなリスクはあらかじめ把握しておくことが懸命です。

一旦不動産を共有名義にしてしまうと、後々単独名義に変更することは大変なことです。
無用な争いを避けるためにも、可能な限り相続前から話し合っておく必要があるでしょう。